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2011.04.05

皆さん、本日は入社おめでとうございます。本日入社された３８名の皆さんは、幸いにして東北関東大震災で直接被災された方はいらっしゃらないと伺っています。一人も欠けることなく３８名という大勢の新人をお迎えできて大変うれしく思います。しかし、今回の震災で多くの方が亡くなられ、また、避難生活を余儀なくされております。被災された方々にこころからお見舞い申し上げます。世界が注目する中、日本はこれから復興に向けて立ち上がらなければなりません。復興には１０～２０年かかると言われています。従って、これからの日本の復興を支えるのは皆さんの世代です。試練を乗り越えて前進するという皆さんの強い意志が復興の原動力となることでしょう。２０年後に入社してくる新人達に向かって、日本の復興は自分達の世代が築き上げたんだぞと誇れるような先輩になってください。

本日は入社に当たり、私から３つのキーワードについてお話ししたいと思います。

まず、健康です。社会人になるということは、自分の健康管理ができると言うことでもあります。まだ若いので健康には自信があると思っているひとも多いと思いますが、生活環境がこれまでとは大きく変わりますからしっかり自己管理をしてください。会社は組織で動いていますから、皆さんひとりひとりの健康は、組織にとっても重要です。心の健康も大事です。ストレスを感じたり、困ったり、迷ったりしたときは一人で悩まずに、ここにいる同期の仲間や、職場の先輩に相談するなど、良くコミュニケーションをとって心自分をコントロールし、上手に乗り切ってください。何でも話せる同僚や先輩を普段からつくるよう心がけてください。

次に安全です。これは会社が持続的に発展するための大前提でもあり、化学会社経営の基本中の基本でもあります。当社はコンビナートのセンター会社であり、大事故は自社だけではなく、他社にもさまざまな影響を及ぼします。当社は現在、全社をあげて安全ナンバーワン企業をめざす活動に取り組んでいます。製造部門はもちろん、本社部門、研究部門の全員で、安全への感受性を高めて、「どんな小さな異常も見逃さない」という意識を高めていってください。今回の地震火災の発生に際しては、大変残念ですが、３人の負傷者を出してしまいました。全社員がもういちど皆さんと同様、初心に戻って安全とは何か、どうすればよいのかを考えてみる必要があると思っています。皆さんもどうか一緒に安全について考えてみてください。

３つ目は自主性です。皆さんには「会社が何かをしてくれるだろう」と考えるのではなく、「会社のために自分は何ができるか、何をやるべきか」を考えて行動してほしいのです。最近の職場は、どの職場でもマニュアルがきちんと整備されています。マニュアルに書かれていることを遵守するのは当然ですが、表面的な作業ばかりに気をとられやすくなり、このことが却って本質を考える力を削いでしまうことにつながります。いわゆるマニュアル世代の悪い側面です。何故そのようなマニュアルになっているのか、背景にある原理原則は何なのかを自分で考え、理解することが大切です。
また、製造部門や研究部門に配属された方は、高圧ガス製造・保安責任者資格や、危険物取り扱い責任者資格などといった国家資格が必要となる場合がありますが、このような資格をとるため、自主的に学ぶことで業務に必要な基礎的な知識が身につきます。若いうちだからこそ出来る努力です。会社はこのような自主性を評価しています。

当社は従業員数９００名弱の規模で、大企業と言うより中堅企業です。このような規模であることで職場の風通しがが良くなり、家族的な雰囲気も生まれているのです。皆さんはこれから社会人とし仕事をしてゆくわけですが、それだけではなく、会社と言う場を通じて公私共に人生を楽しみ、人間として成長していって欲しいと願っています。そのためにも、同僚や先輩とのコミュニケーションを大切にし、皆さん自身に当社の新しい風となって頂きたいと思います。