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2011年度社長年頭所感

その他

2011.01.24

新年明けましておめでとうございます。年末年始を皆さんはいかが過ごされましたか。工場で出勤された方々は大変ご苦労さまでした。

1. 2011年の干支
 さて、今年2011年の干支は、五行十干の「かのと(辛)」=「しん」と十二支の「う(卯)」の組み合わせで「かのとう(辛卯)」にあたります。「かのと(辛)」は新しいという意味の「新」と音を同じくし、昨年の「かのえ(庚)」につぐ革新を意味するそうです。
一方、「う(卯)」は「うさぎ(兎)」ではなく、元の字は草かんむりに卯と書く「ぼう(茆)」で「かや・すすきの茂み」を表し、植物が茂り、地面を覆うようになることを意味します。また、「う(卯)」の中の縦の二筋の線は門柱、両側は門扉を開いた形をあらわしており、従来手をつけていなかった未開拓地の開発に従事することを意味するそうです。
 両者合わせますと、未開拓であった新しいものごとが敢然と出現するということで、当社にとっても何か大きな成果があるのではと期待しています。

2. 2010年を振返って
 2010年を振り返りますと、世界的にはリーマンショック後の先進国経済の衰退と、その一方で新興国マーケットの躍進とが際立った対照を見せた1年でした。グローバル化の中心が先進国から中国を始めとする新興国市場に完全にシフトし、世界経済が全く新しいパラダイムのもとで動き始めました。そしてこの市場に食い込めない者は落ちこぼれていくしかないという危機感が世界各国政府、大企業を動かす共通の原動力になりました。日本経済は急激な円高が進行し、自動車をはじめとする製造業が現地生産化を進めざるを得ないインセンティブが強烈に働いた年でした。また、石化業界では中東や中国の設備が完成、続々と稼動し、その影響が現れ始めました。ナフサ課税見直しも再燃しましたが、石化協主催の課税反対運動が奏功し、課税回避にこぎつけるだけでなく、恒久化を検討するとの文言を勝ちとったことは記憶に新しいと思います。
 当社においては、野中前社長の現職での急逝という大変ショックな出来事に見舞われました。しかし、従業員の皆さんが一致団結することでこの非常事態を乗り越え、株主総会も無事終了させてすぐに通常の業務体制に戻ることができました。皆さんの底力を感じました。会社業績については、上期決算は経常利益12億68百万円を計上いたしましたが、在庫要因をのぞいた実力は殆どゼロと予算比で大幅に遅れをとっています。下期にできるだけ取り返していきたいと思います。

3. 2011年の見通し
 世界経済は全体として緩やかに回復するとみられますが、それはあくまでも全体の平均的な姿であって、先進国の回復はいずれも重たく、これとは対照的に新興国が活況を呈していく状況は、基本的に2010年と同様と見ています。米国は雇用と住宅の回復が重たく、欧州は財政問題と金融危機が深刻であります。また、2011年は中国の引き締め政策の影響に注目しなければなりません。中国が舵取りに失敗して、バブルが急激にはじけるようなことがあれば、世界景気に大きな打撃を与えると思います。

 日本はデフレとの長い戦いが続き、さらには政治的なリーダーシップの不在もあって、国民全体が疲れてきているように思いますが、日本の企業はかつてオイルショック後の逆境下で、適応力に富んだしたたかな対応を見せました。今回もその時と同様、知恵があり、正しい方向で努力する企業はリーマンショック後の世界経済の構造変化に適応し、急速な変貌をとげながら、国際競争市場の中でしぶとく勝ち残っていくのではないでしょうか。
 石化業界は昨年ほどではありませんが、引き続き中東・中国のプラント新増設が続くことから世界需給が緩むといわれています。アジア市場をめぐっての国際競争はより激化することは間違いなく、各社とも製品の高付加価値化、成長する誘導品分野への投資拡大を軸に、アジア展開を急速に進めていくと思われます。当社はクラッカー2基体制が国際競争力の原点であり、まずみずからやるべきことをやり遂げるという基本方針を基に中計のテーマをひとつひとつ着実に実現していくことが大切です。
 とくに、事業ポートフォリオ転換の切り札ともいうべき燃料バランスの改善、C4、C5事業のアジア展開、新規事業の推進などのテーマは、まだまだやっと入り口にたどりついたか或いはその一歩手前といったところです。これらの課題をもう一度整理して収益改善効果や投資額、回収年といった具体的な数字を明らかにし、今年前半にはすべてが実施レベルにまで煮詰まった状況になっていることを期待しています。

 最後に付け加えますが、今年は日本企業の環境問題への自発的な取り組みが一段と強化されると思います。地球温暖化対策基本法案は昨年5月には衆議院で強行採決されたものの、結局廃案となり10月の臨時国会に再び上程されました。2020年までに90年比25%削減という空疎な目標だけが一人歩きをしています。また、昨年12月にメキシコのカンクンで開かれたCOP16では、京都議定書の単純延長は避けることが出来たものの、世界的な枠組みの合意形成にはいたりませんでした。今年予定されているCOP17の帰趨も注目されますが、こうした法的な枠組み形成とは別に、この問題への世界的な関心の高まりを背景に、石油化学各社とも自主的にCO2削減問題に真剣に取り組み始めています。当社にとってもCSR上の観点からだけではなく、事業構造改善の観点からも省エネはきわめて重要な経営課題です。かつては熱心に取り組んでいたテーマと聞いていますが、最近少し忘れていないでしょうか。今年は本気で注力していただくよう関係部署にお願いしています。

2011年は中計の真ん中の年、当社にとって正念場の1年であります。新たに気を引き締めて取り組んでいただきますことをお願いして、私の新年のご挨拶とさせていただきます。

以上
丸善石油化学株式会社
人事総務部 広報グループ
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